白神社の創建は古く、平安朝正暦年間(990〜994)にさかのぼる。もと近江国粟田の人、近藤玄蕃介秀延の創建になるという。秀延は安和の乱に敗れ、東国に遁れし折、たまたま駿河国秋葉社に詣で、所領を失いし己の落ちつく先を告げ給えと祈願せしところ、その夜相模国鎌倉郡に空場(あきば)ありとの夢告を受け、当地に至り、夢告と一致せし所なりと開拓に励み、やがてこの地を安住の地となし、神のご加護を感謝し、社を建てりと伝う。
爾来、名瀬の里の鎮守として今日に至る。
白神社という名前は、当町松窪という所に大きな白蛇が居て、永年に亘り農地を荒していたので、村人は水神が白蛇に変じて戒め給うものと悟り、そのみたまを奉斎したのが創祀だと伝えられている。