お正月には、それぞれの家庭において年神様をお迎えします。年神様は、正月様・歳徳様・若年様などとも呼ばれ、その年の吉方である恵方より訪れ、一年間の家庭の健康と幸福を授けてくださる神として信仰されてきました。
年神様は、農耕をつかさどる田の神であるとする説や御先祖様の神霊であるとする説もありますが、私たち日本人は古来、正月行事として年神様を迎え、おまつりすることをおこなってきました。
玄関の注連飾りも年神様をお迎えするためのもので、年末に大掃除を終えた後にお飾りをするのが一般的です。但し、一夜飾りとなる三十一日は避けます。注連飾りは正月注連、正月飾り、年縄とも呼ばれ、不浄が清められ、家内が年神様を迎えるのにふさわしい清浄な場所であることを示すほか、外から災厄が侵入するのを防ぐ意味もあります。
その形態もさまざまですが、一般的な形としては藁で編んだ注連縄に白色や紅白の紙垂を垂らして、清浄かつ神聖であることを表し、その上に裏白、ゆづり葉などの植物や、橙、神馬藻などの海藻や海老が添えられます。裏白は長命・潔白を、ゆづり葉は家系を後の世代までゆずり絶やさないこと、橙は家系が代々栄えること、海老は腰が曲がるまで長寿であることを意味するなど、それぞれが縁起物であるとともに、橙、海藻、海老などの食物は年神様をまつるためにお供えされる神饌の意味があるとも思われます。
このほか、玄関や門柱の左右に立てる門松は年神様をお招きするための依代であるともいわれ、家内に年神様をまつるため、正月の間のみ祭壇を設ける地域もあります。
正月飾りは、正月七日の七草までお飾りし、小正月(一月十五日)におこなわれるどんど焼きや左義長と呼ばれる火まつりにおいてお焚き上げされることが多いですが、地方によっては年間を通じてお飾りする場合もあります。